こんにちは!プロキックボクサーのうーるんです。
キックボクシングの構え方には、右利き構えのオーソドックス・左利き構えのサウスポー・左右両方の構えのスイッチヒッター・コンバーテッドサウスポーの4種類があります。
これはキックボクシングだけに通じることではありませんが、格闘技では相手の構え方によって戦い方を変えなければなりません。
とくにサウスポースタイルの選手には、気をつけなければなりません。
「サウスポーの選手はやりづらい…」
「サウスポー相手だとなんでこんなにパンチをもらってしまうんだ…」
「なかなか攻撃が当てられない…」
といった悩みを持っている人も多いのではないでしょうか?
その理由についても含めながら、オーソドックススタイルの人がサウスポースタイルを相手にどのように戦えばよいかを解説していきます。
この記事では…
・キックボクシングのサウスポーとの戦い方は?
・キックボクシングのサウスポー対策は?
について解説していきます。
【プロが解説】キックボクシングのサウスポーとの戦い方
左利きはなにかとスポーツにおいて有利と言われていますが、キックボクシングの世界でも左利き構え(サウスポー)は有利と言われています。
その理由としてオーソドックススタイルの選手が多く存在しているため、サウスポー選手との練習や試合の経験が少なく、サウスポーの対策がしにくかったり、サウスポー選手の相手に慣れないなどの理由があります。
そういった点を利用して、もともとオーソドックススタイルの選手が、サウスポースタイルの構えに変えて戦う”コンバーテッドサウスポー”という構えをする選手も中には存在しているのです。
そんなサウスポー相手にどのように戦っていけばよいのか、現役のプロが解説していきます。
しかし、ぼくの通うジムにはサウスポースタイルの選手が多く存在し、そのサウスポーの選手と幾度となくマススパーリングなど練習を積み重ねてきてますので、そういった観点からもサウスポーとの戦い方や対策などを解説していきます。
オーソドックススタイルの人がサウスポースタイルの人と戦うときのポイントは…
・相手の前手と前足の外をとる
・基本は左回りで戦う
・インファイトに持ち込む
の3つです。
相手の前手と前足の外をとる
相手の前手と前足の外をとるとは、向き合った時にお互い前手と前足が近くになりますが、このときに前手と前足が相手の前手と前足の内側に入っていると不利な立ち位置になるため、自分の前手と前足は相手の前手と前足の少し外側をとるのが優位なポジションになります。
逆に外を取られてしまうと相手のストレートを貰う位置に入ってしまい、左ストレートをもらったり、ミドルキックを蹴られたり、奥足のローキックを蹴られたりします。
外側をとるときのポイントは、先に自分の前足で外をとるのですが、大きく外を取りすぎると相手にバレてしまいます。
なので、相手の前足から自分の足の指が3本ほど外を出ているだけでOKです。
すると、相手の前手からも外を取りやすくなります。
前手で外をとるときは、自分の前手で上から覆いかぶせるように外を取ります。
少しむずかしいですが、サウスポー相手にこれができるとめちゃくちゃ強くなります。
あまり大きく外を取りすぎると気づかれてしまいやすいため注意しましょう。
基本は左回りで戦う
よく戦う相手がオーソドックススタイルなので、右回りで戦う人が多いと思いますが、サウスポー相手は左回りで戦います。
なんとなくオーソドックス相手には右回りで戦っている人も多いのではないでしょうか。
オーソドックス相手は右手と右足が脅威になるため、その脅威から逃げるために右回りになります。
なので、サウスポー相手は左手と左足が脅威になりうるため、左回りになります。
これはサウスポー相手の基本的な動きになります。
インファイトに持ち込む
腕力や体力に自信のある人はインファイトに持ち込むのは効果的です。
サウスポーの人は中間距離で戦うことを得意としている人が多いのでインファイトに持ち込むと対応できない選手も多いですが、やはり相手の左ストレートには気をつけたいところです。
相手の隙を伺いながら、インファイトに持ち込んでみましょう。
サウスポーを相手に戦い方を覚えたところで次に対策も覚えておきましょう。
【プロが解説】キックボクシングのサウスポー対策
サウスポー相手の対策は…
・左ストレートを警戒しておく
・素早いジャブを練習しておく
・ボディを狙っておく
の3つです。
左ストレートを警戒しておく
オーソドックスを相手に練習している人が大半なので、サウスポーを相手に気づいたら右周りになり内側に入ってしまい、左ストレートをもらってしまうということがよくあります。
また、サウスポーは左ストレートを武器にしているという人が多いので、常に左ストレートは警戒しておく必要があります。
気を抜かないようにしっかり警戒しておきましょう。
素早いジャブを練習しておく
サウスポーを相手に間違って内側に入ってしまっても、素早いジャブで対応しておけばなかなか相手は入りづらくなります。
もし仮にサウスポーを相手に内側に入ってしまった場合、おそらく左ストレートを狙ってくる選手が大半です。
そこに素早いジャブを合わせることで、左ストレートを回避することができます。
相手のストレートと自分のジャブでは、ほとんどの場合で先に自分のジャブが当たります。
そのためにも、素早いジャブを練習しておきましょう。
左ボディフックを狙っておく
サウスポー選手を相手にするときは、常にボディを狙っておきましょう。
サウスポー選手は、その構えからしてどうしても、急所であるレバー(肝臓)が前に出る構えになってしまいます。
しっかり右手で顔の横をブロッキングしながら、ボディを積極的に狙っていきましょう。
あの神童と謳われる天心選手ですらボディを効かされてしまうのは、やはりサウスポーのデメリットでもあります。
なので、ボディを積極的に狙うのはひとつの対策になります。
積極的にボディを狙うという点には、もうひとつの鍵があります。
ボディを狙う際にカウンターをそこまで恐れなくても良いということです。
左ボディフックを打つ際にしっかり右でブロッキングしておけば、相手の左ストレートを防げます。
相手が前手でフックを打ってくる場合でも、そこまで痛手になることはないので、ボディを狙うのはセオリーということです。
しかし、なかなか当てさせて貰えないのがむずかしいところでもあります。
それなりにサウスポーもオーソドックスを相手には対策をしてくるということです。
あとは実践を積んていくことのみです。
まとめ
▼キックボクシングのサウスポーとの戦い方
・相手の前手と前足の外をとる
・基本は左回りで戦う
・インファイトに持ち込む
▼キックボクシングのサウスポー対策
・左ストレートを警戒しておく
・素早いジャブを練習しておく
・ボディを狙っておく